和泉大学

作業療法学専攻

OCCUPATIONALTHERAPY

【作業療法士の精神障害領域での役割】理学療法士とは異なる視点で心と生活を支える「作業の力」

作業療法士と聞くと身体のリハビリを行う姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、作業療法士は「心」に寄り添う専門職でもあります。
精神科に限らず、言葉だけでは届かない思いを「作業」を通して少しずつ引き出していく役割を担っています。

他の医療職もそれぞれ重要な役割を持っていますが、精神障害領域において作業療法士が果たす役割には、作業療法士ならではの専門性があります。

この記事では、作業療法士の仕事内容や特徴、やりがいについて進路を考える視点でわかりやすく解説していきます。

作業療法士の精神障害領域について

「作業療法士の精神障害領域について」胸に手を当てている女性の画像

作業療法は、体を動かすリハビリだけを行うものではありません。

心の不調によって、生活リズムが乱れたり、人との関わりが難しくなったりした人が、その人らしい毎日を少しずつ取り戻していくことを支えるのが、精神障害領域における作業療法士の役割です。

例えば、「朝起きるのがつらい」「外に出る気力がわかない」「誰かと話すのが怖い」といった悩みを抱える人に対して、無理に言葉で気持ちを聞き出すことはしません。
手を動かす作業や体を使った活動を通して、自然なかたちで心に寄り添っていきます。

日本作業療法士協会は以下のように説明しています。

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

作業療法の対象となる人々とは、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団を指す。
作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。

参考:作業療法ガイドライン2024
日本作業療法士協会による定義( 2018 年 5 月 26 日、平成 30 年度定時社員総会承認 )

作業療法士ができること

精神領域に関わる作業療法士の支援は、とても幅広いのが特徴です。
一人ひとりの状態や生活背景に合わせて、次のような関わりを行います。

①生活リズムを整えるための活動支援

決まった時間に活動することで、昼夜逆転を防ぐなど

②集団活動を通じた対人関係の練習

無理のない役割から参加し、人との距離感をつかんでいく

④退院後の生活を見据えた社会復帰支援

家事の練習や、地域活動への参加など

②集団活動を通じた対人関係の練習

ここで大切にされているのは、上手にできるかどうかではありません。
活動に取り組む中で見せる表情や反応を丁寧に受け止め、その人のペースを尊重しながら関わること。
それが作業療法士ならではの専門性です。

理学療法士との違い

理学療法士と作業療法士はどちらもリハビリテーションを支える大切な専門職です。
理学療法士は歩行や立ち上がりなど、体の動きを回復させる支援を中心に行います。

一方、作業療法士は体の動きに加えて、
「環境」「生活」「人とのつながり」
まで含めて支援する点が特徴です。

精神障害領域では、身体機能よりも
「不安が強くて外に出られない」
「人と関わる自信が持てない」
「生活のリズムが整わない」
といった課題が前面に出ることも多くあります。

こうした課題に対して作業を通して心にアプローチできることが、精神障害領域で働く作業療法士ならではの役割です。

理学療法士との違いどんな施設で働くのか

精神障害領域に関わる作業療法士の活躍の場は、精神科病院だけではありません。

  • 精神科や心療内科の外来リハビリテーション(デイケア
  • 精神科訪問看護ステーション
  • 精神保健福祉センター
  • 就労支援事業所(就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援など)
  • 障害者職業センター
  • 障害者雇用を積極的に行っている企業
  • 地域生活支援センター
  • その他の地域支援施設や福祉施設 など

入院中の支援はもちろん、退院後の生活を地域で支える役割も担っています。

最近では「地域移行」や「社会参加」が重視されており、
作業療法士は、病院と地域をつなぐ存在として、ますます重要になっています。

作業療法士として働く中で感じる「本当のやりがい」

作業療法士を目指す学生が実習をしている姿

作業療法士のやりがいは、目に見える成果だけでは測れません
最初は活動に参加できなかった人が少しずつ輪に入れるようになったり、自分の思いを言葉にできるようになったりする。
そんな小さな変化の積み重ねに立ち会えることが大きな魅力です。

「心を閉ざしていた患者が、ある作業をきっかけに笑顔を見せてくれた」
こうした瞬間は、作業療法士だからこそ経験できるものです。

作業療法士は身体・精神・生活などさまざまな領域で活躍しており、現場ごとにやりがいの形も異なります。

ここでは、和泉大学で学び、現在それぞれの現場で活躍している卒業生の声から、作業療法士として働くリアルなやりがいを見ていきましょう。

信頼関係の先にある“ありがとう”が、原動力になる

地域密着型の病院で、急性期から回復期、地域包括ケアまで幅広い患者さんと関わっている卒業生は、作業療法士として最も大切にしていることを「信頼関係」だと語ります。

日常生活動作や基本動作のリハビリは、決して一方通行では成り立ちません。
患者さんの立場に立ち、気持ちを理解しようとする姿勢があってこそ、リハビリは前に進みます。

少しずつ動きが良くなったときにかけられる
「ありがとう」「うれしい」
という言葉が、何よりの励みになるそう。

困難に立ち向かう患者さんの姿に、自分自身も勇気をもらいながら、
作業療法士として充実した日々を送っています。

心に寄り添うことで、少しずつ距離が縮まっていく

回復期病棟で、退院後の生活を見据えたリハビリに携わる卒業生は、「リハビリに必要なのは、心に寄り添うこと」と話します。

脳に障がいのある患者さんの場合、言葉で気持ちを伝えられないことも多く、表情や目線、ちょっとした反応から感情を読み取る必要があります。
経験不足を感じ、うまくいかない場面も少なくありません。

それでも、この卒業生が大切にしているのは、患者さんの気持ちに寄り添うこと。

嬉しそうなときは一緒に喜び、つらそうなときはその痛みに共感する。
そうした関わりを続ける中で、少しずつ心を開き、本音を話してくれるようになる瞬間があるといいます。

その変化を感じられることこそが、作業療法士という仕事の大きな魅力です。

身体だけでなく、心まで支えられる存在

急性期医療の現場で、脳卒中やがん、整形疾患の患者さんを担当している卒業生は、
常に「精神面への視点」を忘れないよう心がけています。

身体のリハビリが必要な患者さんの中には、不安や恐怖、先の見えないつらさを抱えている人も多くいます。

そんな中で、
「あなたが来てくれると安心する」
「先生にリハビリしてもらえてよかった」
と声をかけてもらえたとき、作業療法士としてのやりがいを強く感じるそうです。

体調がすぐれずリハビリが難しい日には無理に進めるのではなく、その日の気分や心理面について丁寧に話を聞く。
患者さん一人ひとりに寄り添う姿勢が、信頼関係につながっています。

※本章は和泉大学作業療法学専攻 卒業生の声をもとに構成しています。

引用元:作業療法学専攻 卒業生Voice

作業療法学専攻の卒業生の言葉はこちらからチェック!

現場で活きているのは、和泉大学で身につけた「寄り添う力」

現場で活きているのは、和泉大学で身につけた「寄り添う力」
卒業生たちの声から伝わってくるのは、
作業療法士は「人と深く関わる仕事」だということ。

和泉大学では、知識や技術だけでなく、患者さんの背景や気持ちを考える姿勢、チーム医療の中での関わり方を大切にした学びが行われています。

その積み重ねが、卒業後の現場で、「心に寄り添える作業療法士」としての力になっているのです。

まとめ

作業療法士を目指す学生が実習をしている姿

作業療法士の役割は、「作業」を通して心と生活を支えることです。
理学療法士をはじめとする他職種と連携しながら、精神的な回復や社会復帰を後押しする重要な存在として活躍しています。

人の気持ちに寄り添い、ゆっくりでも確かな変化を支えたい。
そんな思いを持つ人にとって、作業療法士は大きな可能性を秘めた進路と言えるでしょう。

寄り添うこころ、支える技術
和泉大学は、地域社会の保健・医療・福祉向上のため数多くのリハビリテーション専門職を輩出しています。
人を支え、未来を拓く。作業療法士への道、ここから始まる。
なりたい自分になれる学びがここ和泉大学にあります。

和泉大学の5つの強み

  1. チーム医療を実践するための「多職種連携教育」の実施
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